「こだわり」を伝えるための「リアル×バーチャル」
2022/11/24
・社名 : 中央宣伝企画株式会社
・業種 : 内装・展示業
・HP : https://www.chuosenden.co.jp/
中央宣伝企画様にインタビュー
2021 年4 月よりハイブリッドワークを実現するオフィス設計・施工サービス「Co-Working Base(コワーキング・ベース)」の提供を開始した中央宣伝企画様。同社ではこの新事業のサービスを展開するにあたり、ショールームとしているオフィス空間をWEB上でいかに効果的に表現できるかが課題となっており、その解決策として「MatterPort」及び「ミニクル」を導入いただきました。導入だけではなく、販売代理店としてもご協力いただいている同社。導入の背景や課題、施策や今後期待することについて中央宣伝企画株式会社 執行役員 大中文人様、デジタル&マーケティング企画室 小永井律子様にお話を伺いました。
——事業内容について教えてください
一言で言うと「ディスプレイ業」というくくりになります。建設事業という部分もありますが、空間の設計や施工という部分で広く仕事をさせてもらっています。空間というと幅広いですが、オフィス・飲食店・テーマパークなどの施設の設計、施工や、展示会、イベントなど短期事業に関しても企画をしています。弊社オフィスのところどころに恐竜のデザインやオブジェがあるのですが、これらは弊社が手掛けた「化石」や「恐竜」 の展示会の舞台デザインをイメージしています。そういった特殊な展示物の取り扱いや標本調達などに専門的な技能を持ち合わせたスペシャリストが在籍しているところも特徴的です。
新WEBサービス立ち上げには「リアルのこだわり」を伝えることが課題
——オフィス設計・施工サービス「Co-Working Base(コワーキング・ベース)」提供開始の背景を教えてください
私たちは2018 年より働き方や業務の効率化に取り組み、2020 年コロナ渦において社員の声を反映し、面積1/3 へ縮小した新しい本社オフィスへ移転しました。
私たちの働き方改革、特に本社オフィス縮小移転というオフィス改革の実体験をベースに、時代や社会の動きに合わせた「変化に対応するオフィスデザイン」を提案するため、「Co-Working Base(コワーキング・ベース)」の提供を開始。そこでは、ハイブリッドワークを実現するコンセプトを体現し、WEB 上で実際に私たちが働く現在のオフィスをショールームとして公開しています。
——「ミニクル」導入前に抱えていた課題を教えてください。
2021 年4 月開催の展示会へ出展する際に、「Co-Working Base(コワーキング・ベース)」サービスのお披露目が決まりました。同時に、今私たちが働いている事務所をショールームにすることになり、まだサービスページもない中、早急にWEB 上でオフィス空間を表現することになりました。
最初からVR を用いたページを作成する構想はあったのですが、まずは2D でWEB ページの作成をすることに。オフィス空間の紹介については最低限の情報をオーソドックスな形式で表現したページを公開しました。
しかし、やはり写真をスライドショーにするだけでは空間をうまく表現しきれません。逆にCG で空間を再現する案もありましたが、表現したい我々のオフィスは実際の空間上にあるのだから、デジタルで作り込まれたデータではなくリアル空間の撮影データをベースにWEBコンテンツ化した方が合っているのではないか、大事なのは「リアルのこだわり」が伝わるものだと感じました。
ミニクル導入の決め手は「コンセプト」を伝える機能
一度サービスサイトを公開できた後、スプレッドオーバーさんの 3DVR 化サービス(Matterport)を知る機会を得ました。「リアル空間を手掛ける弊社がデジタル領域のサービスを提供できることが強みになるのではないか」という構想のもと、弊社お客様への提供を視野に入れながら、まずはMatterport による弊社オフィス空間の3DVR 化を行い、効果を確かめることに。そして2022 年3 月、オフィス空間の3DVR 化が完了。オフィス事業のサービスサイトへ埋め込み、リクルート希望者に向けたWEB説明会や、バーチャルショールームとして活用しました。
Matterport で生成した3DVR は再現性が高く、2D と比べて情報量が格段に増えるため、あっという間に空間の様子を伝えることができました。移動や拡大縮小などの操作を自由にスムーズに行えますし、箇所ごとやアイテムごとに紹介する埋め込みタグ機能もまた魅力的でした。
一方で、VR 空間内に多くの情報を設置できても、情報を取るかどうかの判断や順序はユーザーに委ねられてしまうため、VR を見てもらうだけでは本来伝えたいことが伝わらないのではないか、という懸念がありました。ショールームWEB ページの目的は、ページを見てくれた方が実際にショールーム見学をしたいと思ってもらうこと。そのためにコンセプトを伝える必要がります。そうなるとMatterport だけでは理想とするコンテンツを実現できないのではないか
そういったMatterport の弱点をミニクルは、順序立てて説明を表示できる「順路ツアー」という機能を追加することで解決してくれました。あらかじめオフィス空間の「見て欲しいところ」を設定すれば、順序立ててユーザーに説明を表示してくれます。他にも3DVR 空間上に動画を埋め込む機能などもあり、どこに差し込もうか大いに迷いました。オフィスの細部ひとつひとつにこだわりが沢山あったので、アイディアがどんどんあふれてきて、順路を追ってストーリーをたくさん作っていきました。
自社導入で顧客の信頼度を獲得
——導入後の反応はいかがでしょうか
導入後、ミニクル経由でHP 流入を得ることができていて、実際に問合せを得ることにつながっています。ある企業様は、自社ショールームVR 化の構想がありながら、信頼できるパートナーに出会えずにいたり、導入のスピード感や信頼度の面で導入を躊躇されていましたが、弊社が実際に導入した上でサービスしていることが安心感に繋がり、想像以上に速くVR 化できることをお伝えしたところ、現在導入に向けてご検討をいただいています。
今後のマーケティング展開
——今後のマーケティング展開について教えてください。
我々の事業は「リアルの空間」を提供する事業のため、コロナ渦において少なからず打撃を受けました。コロナ渦が完全に収束したとしても、一度減少したリアルのお仕事というのは100%元通りにはもう戻らないと思っています。7~8 割くらいは戻ってきている感覚ですが、残りの足りなかった2 割~3 割がデジタルに移行、または別のものに置き換えられているように感じます。 そうであれば、私たちもデジタルの領域に進んでどんどん取り入れていかなければと思っています。そのための第一歩が、「リアルとデジタルを融合させる」というところ。これまで手がけてきたリアル空間を軸とし、そこにデジタル技術を組み合わせることで、リアルの価値拡大や新たな価値が創出していきたい。
——スプレッドオーバーに期待することはありますか?
ミニクルを利用したマーケティング展開において、これから先の事は考えが及んでいない領域ですが、逆に言うとどうにでも想像が膨らむエリアです。
例えば、私たちの手がける恐竜の展示会なども、夏季限定の企画なのですが、もし VR 化してミニクルの相互通話機能を利用できたら、通年で楽しめる展示会になるし、地方の方や身体の不自由な方々にも興味をもってもらえる機会が増えます。ミニクルの機能を利用してエンタメ要素としてとり入れられれば、ますます我々の事業との相性が良くなり、デジタルとリアルの持つ力を最大限に活かせるのではないでしょうか。
リアルの空間づくりを生業にしてきた私たちは、デジタルの分野は経験が浅い部分です。二人三脚で一緒に進んでいけるパートナーを増やしていかないと、当然自分たちのノウハウだけでは成長が難しい分野です。スプレッドオーバーさんは既に一緒に歩いてもらっている感覚ではあるのですが、これからも力を合わせていきたいですね。
【担当者コメント】青木尚徳
マーケティングセールスチーム

本件では、リアルとデジタルの融合というビジョンを基に、 空間設計におけるこだわりや特徴を、デジタルで効果的に表現できるようなご提案をいたしました。
リアル空間への強みを効果的に訴求する一助として、今後とも WEB ページの構成から 3DVR コンテンツの内容拡充など、デジタルマーケティングの観点から一気通貫でサポートさせていただきます。